美術品の市場 - 美術市場と投資
主要な金融機関、銀行、保険会社の中には、1990年代に美術品の投資で大きな収益を得たところがあった。1990年代初めに株式の収益率が下落した時に、美術品の収益率は下落しなかった。そのため、分散投資の機会があるといえる。
また、データが豊富なために、美術市場の研究は盛んである。多くの美術品がオークションで売られている。オークションでの取引は透明性が大変高く、価格データを作成することができる。中には、1652年にまで遡って価格データを作成できる作品もある。
実証研究によれば、美術品の収益率は株式よりも低く、価格変動率は少なくとも株式と同じぐらい高い。美術品を所有することで得られる無形の利得が、部分的には収益率の低さを説明できるだろう。しかし、美術品の収益率の低さを理解する上では、美術品の購入や寄付には多くの種類の減免税がある事実が重要である。
1986年に行われたウィリアム・ボーモルの推定によれば、20年間で金融資産の年収益率が2.5%であるのに対して、美術品の年収益率は0.55%である。
参照:Wikipedia「文化経済学」